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コンピュータソフトの取り扱い

パソコンのソフトウェアを購入した場合、その購入金額の経理処理はどうなりますか。

コンピュータのソフトウェアは「無形減価償却資産」に該当します。
取得価額が20万円以上の場合には、3年若しくは5年で均等償却しなければなりません。

解説

1.コンピュータとソフトウェア
パソコンは、言うまでもなく、ソフトウェアがなければ動きません。ところで最近のマシンは、必要なソフトが最初から組み込まれているケースが多く、ソフトだけを購入するという機会は少なくなりました。このような場合には、機械代金にソフトの費用も含まれており、それを区分して表示しているケースは殆どありませんから、支払金額の総額についてパソコン本体を購入したものとして、その全額を減価償却することになります。
しかし本来は、パソコン本体とソフトは別のものです。パソコンショップの店頭に行けば、さまざまなアプリケーションソフトが売られており、思わず手に取ってみたくなるものです。この場合、たとえば経理や販売・仕入管理などの業務を行うために専用のソフトウェアを別途購入した場合には、その経理処理が問題となります。

2.ソフトウェアの税務上の取り扱い
(1)原則は5年均等償却
税務上、コンピュータのソフトウェアは「無形減価償却資産」という取り扱いを受けることになっています。
無形減価償却資産というのは、建物や自動車のようにその利用できる期間を通じて購入金額を徐々に費用化していく(これを償却といいます)けれども、目に見える資産の形がないものをいいます。ソフトウェアは、その利用権を開発会社から取得するために支払うお金であり、その代金を支払うことにより、何年にも渡ってコンピュータを有効活用することができるわけですから、支払った年だけの経費として処理してしまうことには問題があるわけです。
そこで税法は、コンピュータのソフトウェアを開発してもらったり店で購入した場合には、その費用を支払い年度に一括経費処理することを認めていません。それではどうするかというと、これを一旦資産に計上し、5年間で均等償却することになっているのです。前述のように資産に実体がありませんから、通常の減価償却のように残存価額を1割残すなどという必要はありません。したがってたとえば100万円のソフトウェアを取得したら、毎年20万円ずつを経費に振り替えていくことになるわけです(無形減価償却資産には定率法の取り扱いはありませんので、単純に月数按分処理をします)。
(2)一括経費処理できる場合もある
ただし、減価償却資産のうち、少額な資産についてはいろいろな特例が認められています。つまり、一定金額以下の少額費用は、例外として資産計上することなく、支払時に経費処理ができるというものです。
この特例には、10万円未満の資産を一括償却できる「少額資産の特例」、10万円から20万円までの資産を3年間で均等償却できる「一括資産の特例」、中小企業者である場合に30万円未満の資産を一括償却できる「中小企業者の少額資産の特例」があります。
したがって、中小企業者であれば、購入金額が30万円未満のコンピュータソフトは購入時に全額経費処理、30万円以上の場合には資産に計上して5年で均等償却することになります。そして、その他の企業であれば購入金額が10万円未満のコンピュータソフトは購入時に全額経費処理、10万円以上20万円未満の場合は3年間で均等償却、20万円以上の場合には資産に計上して5年で均等償却することになります。
(3)多額な投資にも特例がある
会社がシステムの効率化等のために多額のソフトウェアを購入した場合においても、一定の要件のもと、一定の特例が設けられています。青色申告法人で資本金1億円以下の中小企業者は、購入金額が70万円以上のソフトウェアを購入した場合若しくは、年間の購入金額が70万円以上のソフトウェアを購入した場合には、その購入金額の30%をその年度の経費として処理できます。また、この方法に代え、その年度の法人税額の20%を限度として、購入金額の7%を法人税額から控除することも可能です。どちらを選択するかは、会社の任意選択になっております。なお、資産計上する場合の勘定科目は、「無形固定資産」が妥当であると考えます。
(本文は平成22年4月1日現在の法令による)

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