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財務Q&A
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建物の賃借に伴い支出する諸費用

この度、新たに支店を設置することになり、店舗のオーナー等に下記の費用を支払いました。その税務上の取り扱いはどうなりますか。
①保証金1,000万円(退去時に20%償却の契約。契約期間は3年で更新可)
②礼金 50万円
③前払い家賃 50万円
④仲介手数料 50万円

建物の賃借に伴い支払う権利金等の費用は、原則として繰延資産に該当します。
建物賃借にかかる繰延資産は、原則として5年で均等償却します。

解説

1.礼金等の取り扱い
税法は、繰延資産の一つとして「資産を賃借しまたは使用するために支出する権利金、立ち退き料その他の費用」を定義しています。したがって、店舗を設置するに当たってオーナーに支払った金銭のうち、返還されないことが明らかな金額は、この繰延資産に該当することになります。
質問の「礼金50万円」は、建物等の賃借時に慣習的に支払われるものであり、一旦支払われると解約時に返還されることがありません。したがって「損金」に相当するわけですが、税務上は繰延資産に計上し、所定の期間で均等償却をしていくことが必要です(支払時に一括経費処理することはできません)。
この場合の償却期間は、建物新築時に支払う権利金等で建物の建設費の大部分に相当するようなもの、または解約時に借家権として転売できることが明らかであるものを除き、原則として5年とされていますが、契約による賃借期間が5年を下回る場合で、かつ契約更新時に再び権利金等の支払を要することが明らかであるときは、その契約期間で償却することになっています。最近の一般的な建物賃貸借契約は、ほとんどこのケースに該当しますので、質問の場合も50万円を契約期間の3年で均等償却(すなわち36ヶ月で月数按分償却)することになります。

2.保証金の取り扱い
保証金は、原則として解約時には返還されるお金です。ただし「償却」と称して、預けた保証金のうち一定割合が返還されない契約もあります。その場合の返還されない部分の金額(すなわち償却費相当額)は、前述の「資産を賃借しまたは使用するために支出する権利金、立ち退き料その他の費用」に他なりませんので、礼金と同様に繰延資産として償却することになります。質問の場合には、保証金支払い時にまず下記の処理をします。
(借)保証金800万円(貸)現金預金1,000万円
(借)長期前払費用 200万円
すなわち返還されない金額を、最初から保証金勘定から除外し、繰延資産経理する科目に振り替えてしまうわけです。
そして決算時には、その200万円を前述の礼金と同様にまず36ヶ月で除し、これに当期の店舗賃借期間の月数を乗じた金額を、当期の償却費として経費に振り替えます。

3.仲介手数料の取り扱い
建物賃借時に支払う費用のうち、不動産業者に支払う仲介手数料は、前述の繰延資産として経理する必要はありません。したがって支出時に「支払手数料」勘定に計上し、一時の経費として処理することができます。

4.前払い家賃の取り扱い
不動産の賃借契約では、常に翌月分を当月末までに先払いするのが一般的な慣習です。したがって決算期末になれば、前払分を「前払費用」という資産勘定に振り替えるのが正しいやり方ですが、家賃のように毎月繰り返し支払うものは、前払費用として処理する実益があまりありません。そこで税法は、1年以内の期間にかかる短期前払費用を継続して支出時に経費処理しているときは、その処理を認めることとしています。したがって質問の前払い家賃も、継続適用を要件として、支出時の経費として処理することができます。
(本文は平成22年4月1日現在の法令による)

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