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財務Q&A
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寄付金の取り扱い

最近、思うところがあり、母校の国立大学の同窓会に50万円ほど寄付をしました。寄付金については税制上の特典があるという話を聞いたのですが、具体的にはどのような内容になっているのでしょうか。

個人が一定の条件を満たす寄付をした場合には、「寄付金控除」という控除が受けられ、所得税が軽減されます。

解説

1.個人として寄付をした場合
寄付とは、反対給付を求めない無償の譲渡です。したがって何かをしてもらったことの見返りとして支払うものではないのですから、本来、事業上の経費になるということはありえません。しかし公的な寄付を奨励することは、国の政策として必要です。そこで個人が支払った一定の寄付金には、必要経費算入ではなく、所得控除という形で税負担が軽減される措置が設けられています。
この場合、寄付金であれば何でもいいというわけではありません。たとえば子供の私立学校の入学に際して寄付を強要された場合にまで税金が安くなったのでは、制度の趣旨に反するからです。そこで税負担が軽減される寄付金は下記のものに特定されており、その意味で寄付金控除の対象になる支出は「特定寄付金」と呼ばれています。
(特定寄付金の範囲)
①国または地方公共団体に対する寄付金(一定の後援会等も含まれます)
②指定寄付金(控除の対象になるものとして財務大臣がその都度指定するもの)
③特定公益増進法人への寄付金(国際交流基金、日本育英会などに対するもの)
④一定の特定公益信託の信託財産とするための寄付金
⑤NPO法人のうち国税庁長官の承認を受けたものに対する寄付金
⑥政党等への政治活動に関する寄付金
このように寄付金控除の対象となる寄付金の範囲は多岐に渡っており、その判定は容易ではありません。そこで通常は、寄付金控除の対象になる寄付金については、寄付をした相手から受け取った領収書や所定の証明書などに控除の対象となる旨の記述がされることになっています。質問のケースも、受け取った領収書にその旨の記載があれば、控除が受けられます。
控除の対象になる寄付金を支払った場合には、下記の金額を寄付金控除額としてその年の所得金額から控除します。
(控除対象額)
①その年中に支払った寄付金の額
②その年の所得金額の合計額の40%相当額
③控除対象額=(①と②のうちいずれか少ない額)-2,000円
このように、支出した金額がすべて控除できるわけではありません。その背景には納税より寄付が優先することを防止するため所得金額の4分の1を限度とする、少額の寄付で税務申告が混乱するのを防ぐため2千円の足切りを設定している、などの考え方があると言われています。

2.法人として寄付をした場合
一般の事業会社は、営利を追求するためにのみ存在する組織ですから、会社として寄付をするということ自体ナンセンスです。そこで会社が通常の寄付金を支出した場合には、そのほとんどが損金(経費)になりません。これを寄付金の損金算入額の限度額計算といい、下記の算式により計算した金額を超える部分の金額は、税金の計算上経費から除外されてしまいます。
(損金算入限度額)
限度額=(期末の資本金額×0.25%+寄付金支出前の所得金額×2.5%)×1/2
わかりやすく言えば、資本金1千万円の会社は、上記算式の左半分で計算した金額が2万5千円ということです。寄付金のほとんどが経費にならないということがご理解いただけるでしょう。
ただし上記1の個人の項でも触れた特定寄付金を法人が支出した場合には、やはり公的な寄付を奨励する見地から、支出額の全額が損金に算入されることになっています。寄付をする場合には、支出先の団体の性格をよく調べ、税制上の取り扱いを確認するようにしたいものです。
(平成22年4月現在の法令に基づく)

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