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消費税の還付が受けられるケース

消費税は、納めるばかりでなく、ときには還付されることもあると聞きましたが、具体的にはどのような場合に還付が受けられるのでしょうか。

課税売上より課税仕入が多ければ、その差額に対する税額は還付されます。
ただし免税事業者は還付を受けることはできません。

解説

1.消費税が還付されるケースとは
消費税は、事業者にとっては損も得もない税金です。一年間にお客様から預かった税金が同じ期間に自らが支払った税金より多ければ、その差額を機械的に計算して納めることになります。したがって逆の場合には、その差額が還付されるわけで、還付を受けるからといって「得をする」というわけではありません。
とはいうものの、当然に受けられる還付をつまらないミスで棒に振るのは何とももったいない話です。どんな場合に還付となるのか、下記の事例を参考にして事前準備を怠らないようにしていただきたいものです。
①仕入や経費が多い場合
事業が現実に赤字である場合、つまり売上より仕入や諸経費の方が多額にかかっている場合には、課税売上より課税仕入の方が多いわけですからその差額に対する税額は還付されることになります。ただし経費の大きな割合を占める人件費は対象外取引ですから、人件費や保険料、支払利息などを除いたところでその判断を下さなければ意味がありません。
②高額の資産を購入した場合
店舗や事務所の建物を取得したり、車両や機械などの減価償却資産を取得した場合、その金額が大きければ還付に結びつく可能性は非常に高くなります。特に建物の取得は投資額も非常に大きいですから、還付金も大きくなります。ただし住宅物件は、そこから上がる賃貸収入が非課税であるため、課税売上割合が95%以上である場合を除き、原則として還付の対象とすることはできません。

2.決算利益と消費税の課税対象とのズレ
上記①の場合、決算が黒字でも消費税の還付が受けられるケースがあります。そのような現象は、会計における損益の認識と消費税におけるそれにギャップがあるために生じることです。このことは消費税という税金の特性を知る上でとても重要なファクターですから、是非ご説明しておきたいと思います。
会計では、仕入商品は現実に売れるまで費用とすることができません。決算期末に棚卸しという作業をしますが、これは売れ残り商品を集計してこれを当期の売上原価の計算上控除し、売れた商品の原価を計算するために行うものです。これに対し消費税では、いつ売れたかではなく、いつ仕入れたかが課税仕入の認識のタイミングとなります。極端な例ですが、商品を1千万円仕入れて1点も売れなかった場合、会計では仕入高と期末棚卸高が同額となるためその年の売上原価はゼロですが、消費税では1千万円の5%の税額控除が受けられます。したがって、開業後まもなく決算を迎えた年度や、新規事業のため多額の設備投資や商品仕入をした年度においては、還付に結びつく可能性が高くなります。

3.免税事業者と簡易課税選択者における注意点
このように時として有利に作用する消費税ですが、還付が受けられるのは「原則課税の事業者に限られる」という大変重要な点を忘れてはなりません。したがって、還付が受けられそうな下記事業者の方は事前の対策が必要です。
①簡易課税を選択している事業者
簡易課税制度は売上に応じて自動的に納税額が決まるしくみですから、課税仕入がいくらあっても還付とは関係ありません。したがって多額の課税仕入が生じることが予測される場合には、その課税期間の開始の日の前日までに簡易課税の選択取りやめの届出をし、原則課税に戻しておかなければ還付を受けられません。
②免税事業者
免税事業者は、消費税の納税と無関係でいられる代わりに、還付の権利とも関係がない扱いとされます。ただし免税事業者でも、あらかじめ届出をすれば課税事業者になることもできます。したがって免税事業者に多額の課税仕入が発生しそうな場合には、その課税期間の開始の日の前日までに「課税事業者選択届出書」を提出して原則課税としておけば、消費税の還付が受けられます。
ただし、課税事業者の選択は課税事業者となった日から2年間強制適用されるため注意が必要です。さらに、その2年の間に開始した各課税期間(簡易課税制度の適用を受けている課税期間を除く)中に調整対象固定資産の課税仕入を行った場合には、その課税仕入の日の属する課税期間の初日から3年間原則課税が強制適用されます。
(注)調整対象固定資産には、棚卸資産以外の資産で、建物、機械装置、車両その他の資産で、税抜100万円以上のものが該当します。
(本文は平成22年4月1日現在の法令による)

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