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キャッシュフローとは何か-その1

最近、雑誌や書籍などで「キャッシュフロー」という言葉が頻繁に使われますが、これは一体何を意味しているのですか。

不況の今日、資金繰りの管理は企業の生命線です。
利益と資金繰りは一致しません。キャッシュフローという概念をしっかり理解して、つぶれない企業を確立しましょう。

解説

1.キャッシュフローとは
キャッシュフロー(cash flow)とは、直訳すれば「現金(キャッシュ)の流れ(フロー)」です。つまり、企業の中でお金がどのように動いているかを考えようとするものです。
キャッシュフローの概念をしっかり把握し、資金の効率的な活用、過ちのない資金繰りを考えていきたいものです。

2.黒字倒産って何?
黒字倒産という言葉をご存じでしょうか。言葉の意味は「儲かっているのに会社がつぶれる」ということですが、本当にそんなことがあるのでしょうか。
簡単な例で考えてみましょう。1個1万円の商品を仕入れれば、1万5千円で売れる確実な商売があるとします。誰でもやってみたいところですが、元手がないと出来ません。そこでとりあえず人から100万円を借り、その資金で商品を100個仕入れます。そして販売活動に望んだら、一カ月間に60個売れたとしましょう。1個につき5千円儲かるのですから、60個売れば30万円の儲けです。万々歳のはずですが、このままではこの人は倒産してしまいます。なぜなら借入金の返済期日には、手許に現金が90万円しかなく、返済額100万円には10万円の資金ショートが生じてしまうからです。

人から100万円借りる 仕訳 (借) 現金 100万円 (貸) 借入金 100万円
商品を100万円仕入れる (借) 商品 100万円 (貸) 現 金 100万円
そのうち60個が売れる (借) 現金 90万円 (貸) 売 上 90万円
(借) 原価 60万円 (貸) 商 品 60万円
この段階で残っているものは……
・プラス財産→現金90万円と商品40万円(単価1万円×40個),合計130万円
・マイナス財産→借入金100万円
つまりこの例では、人から借りた資金100万円と自分が稼いだ利益30万円の合計130万円が、現金90万円と商品40万円に化けたということであり、したがって期日に借金を返そうと思ってもお金が足りない、すなわち30万円も儲かっているのに黒字倒産が生じるというわけです。このように、損益(儲かったかどうか)と資金(金繰り)とは次元の違うものであり、そのことを理解しないと「儲かっているから大丈夫なはずだ」というような大変な勘違いを生じてしまうことになります。
これを裏返せば、商売が儲かっていなくても、資金繰りさえ何とかなれば、企業は絶対につぶれません。もちろん赤字が続けば借金は増える一方であり、いずれ破綻を来すことになります。そんな無茶が継続できないことは言うまでもありませんが、逆に儲かっているのに一時的な資金ショートで大切な事業を失うことのないよう、資金繰りには万全の注意を払いたいものです。


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