<第百二十七回:問題と解答>
[出題日:2003.11.17(月) 解答発表日:2003.11.21(金)]
[問題]
サラリーマンの本橋さんは、結婚を機に父親から土地の贈与を受けることになりました。もらった土地の時価は4,000万円、路線価による評価額は3,000万円ですが、父親はこの土地を購入するに際して銀行から資金を借りており、その残高がまだ3,000万円あります。父親は土地をあげる代わりに、借金の残りを本橋さんが肩代わりして払うことを要求しています。世の中甘くないですね。ちょっとがっかり。
さてこの場合に本橋さんに贈与税はかかるでしょうか。
@4,000万円に対してかかる
A4,000万円と3,000万円の差額の1,000万円に対してかかる
Bもらった財産の評価額と負担する借金の残高が同じだから何もかからない
<出題者:ナショナルキッド>
[正解]A
借金とのひも付きで行われる贈与を「負担付き贈与」といいます。かつて、不動産の時価と相続税評価額との開きに着目して、評価額に見合う負担付きで贈与を行い贈与税を免れるという節税策が流行しました。本問でいえばBの考え方です。そこで現在では、負担付き贈与があった場合には、贈与を受けた財産の評価額は路線価ではなく「通常の取引価格」で行うこととされています。この事例でも、路線価に関係なく、時価の4,000万円を基に贈与税の計算をしなければなりません。