<第百七十六回:問題と解答>
[出題日:2004.11.8(月)  解答発表日:2004.11.12(金)]

[問題]
 
私、中山穣治はうどん屋を細々と営んでいます。どれくらい細々かというとそうめんみたいに細々・・・じゃなくて、年間で諸々の経費を支払ってもうけが300万円いくかいかないかです。300万円で妻と子供と家族3人暮らしていくのはどうにもこうにもきつくて・・・それは置いとくとして。このうどん屋、妻所有の建物を店舗として毎月10万円の家賃を支払って借りているのですが・・・・いきなり問題!穣治さんは所得税の申告で配偶者控除を受けることができる?
 ヒント1。奥さんはうどん屋からもらう月々10万円の家賃収入の他に収入はなく、この収入にかかる必要経費はありません。
 ヒント2。奥さんは穣治さんの店を手伝ったことはただの一度もありません。
 ヒント3。配偶者控除を受けるためには奥さんの所得が38万円以下でなければ受けられません。
 @配偶者控除を受けられる
 A配偶者控除を受けられない
                            <出題者:仕事スパイラル>
[正解]@
 受けられます。所得税には『生計を一にしている親族(簡単に言えば一つの財布で暮らしている家族ということです)に支払った家賃などは、その事業所得の計算上必要経費に算入しないとともにその親族が支払を受けた家賃などはないものとみなす』という規定があります(所得税法56条)。何言ってるか一瞬考えますが言い換えればこうです。『穣治さんが奥さんに支払った家賃はうどん屋のもうけを計算する際に必要経費に入れないでください。さらに奥さんがもらった家賃(年間で120万円)は奥さんの収入ではないですよ』ということです。わかりましたか?奥さんは収入がないのですから当然所得は38万円以下。だから穣治さんは配偶者控除を受けられるのです。