<第一回:問題と解答>
[出題日:2001.06.04(月)  解答発表日:2001.06.08(金)]

[問題]
 会社社長の山本さんは、銀座のクラブで出会ったアケミさんと深い仲となり、お店を辞めさせて生活の面倒を見ることにしました。アケミさんは現在無収入なので、山本さんは生活費として毎月30万円を渡しています。この場合、山本さんはアケミさんを扶養控除などの対象とすることができますか。次の中から正しいと思うものを選びなさい。ただし二人は同居していません。
 @ 事実上の夫婦だから、配偶者控除の対象になる
 A アケミさんは無収入なので、扶養控除の対象になる
 B 本来は扶養控除の対象だが、同居していないので受けられない
 C 配偶者控除、扶養控除のいずれも受けられない
                <出題者:ナショナルキッド>

[正解]  C
 所得税の計算において、ある人を配偶者控除や扶養控除の対象とするためには、その人が次の二つの要件を満たしていることが必要です。
@ 本人の年間の所得金額が38万円以下であること
A 所得者の配偶者または親族であること
 この場合、Aの「配偶者または親族」について税法は明確な定義をおいていません。そこで民法の規定が援用されることとなり、配偶者は入籍している人、親族は6親等内の親族または3親等内の姻族に限定されることになります。
 したがってアケミさんは、問題の文面からは入籍していないものと推定されますので、これらの要件に該当しないこととなり、いずれの控除も受けられません。