<第五十八回:問題と解答>
[出題日:2002.07.08(月)  解答発表日:2002.07.12(金)]

[問題]
 文筆業を営む松本さんは、最近本の売れ行きがよくなってきたので、節税対策を検討しています。具体的には次のような支出を経費に計上しようと考えていますが、認められるでしょうか。なお税務署に対して届出書等は一切提出したことがありません。
@ 仕事を手伝ってくれる妻に対して月給20万円
A 原稿を執筆するときに使う近視矯正用の眼鏡5万円
B 売れない時代に妻の親に借りた生活資金の利息10万円


        <出題者:ナショナルキッド>


[正解]
@…×
 同一生計の家族に給与を払うことは一向に差し支えありませんが、それを事業の経費として認めてもらうためには、事前に「青色申告の承認申請書」という書類を提出して青色申告の手続をし、かつ、「青色事業専従者給与の届出書」という書類によりいくらの給与を支払うかを届け出ておかなければなりません。事例ではいずれの手続もしていませんので、支払った給与を経費として認めてもらうことはできません。なお届出をしても、その支払額が労働の対価として不相当であれば、やはり経費にはなりませんので注意が必要です。
A…×
 一般的な近視用眼鏡は、仕事に使うと同時に日常生活にも用いるものですから、事業の経費としては認められる可能性はほとんどありません。
B…×
 言うまでもなく、生活費の借金は事業とは無関係です。したがってその利息は経費にはなりません。