<第六十三回:問題と解答>
[出題日:2002.8.19(月)  解答発表日:2002.8.23(金)]

[問題]
 ある事情のため、長らく連れ添った妻と離婚することとなりました。離婚に際し私が所有する土地家屋を分与することになりました。この場合考えられる課税関係は次のうちどれでしょう。
 @分与を受けるのは妻だから妻に税金がかかる
 A離婚による財産分与は夫にも妻にも税金はかからない
 B分与を受けた妻に税金はかからないが、夫にはかかる
                 (出題者:マレー獏)

[解答]B
 離婚した夫婦の一方は、相手方に対し財産分与を請求することができることになっています。すなわち一方には「財産分与請求権」があり、もう一方には「財産を分与する債務」があるといえます。離婚に際し、土地や家屋などの譲渡所得が生じる資産によって財産分与が行われると、この「財産を分与する債務」の額を対価として資産を譲渡したこととなるため、この場合、夫には譲渡所得が課税されることとなります。一方、財産分与を受けた妻の方はよく知られているように贈与税の非課税財産となるため、税金はかかりません。