<第九十三回:問題と解答>
[出題日:2003.3.24(月)  解答発表日:2003.3.28(金)]

[問題]
 これって「贈与」?と思うことってときどきありますよね。次のうち、必ず贈与税の対象となるものはどれでしょうか?
@父から150万円のお金を一年間無利息で借りた場合の利息相当額    
A父の所有する土地3000万円を一切お金を払わず借りた場合の地代相当額
B父の所有する2000万円の土地を900万円で買い取った場合の差額相当額
                   (出題者:マレー
獏)


[正解]B
 上記は受けた側がトクをしていることで共通しています。しかし@は親族間の借り入れであり、通常の利率で計算してもたいした額ではないため課税の対象としなくてもよいことになっています(相続税基本通達9-10)。ただし返済をしない場合、元金は単なる贈与であり課税されることとなります。Aについてはよく知られるところの「使用貸借」=タダ貸しタダ借りであり 権利関係の移動はありませんので借りた側はトクはしていても贈与を受けたことにはなりません。Bについては著しく低い価額で買い取っているため「低額譲渡」に該当します(相続税法第7条)。差額の1100万円については贈与となり、基礎控除額(年間110万円)を超えているため必ず申告しなければなりません。